伊万里柿右衛門写しのマイセン

今年も残り僅かとなりました。
今の時期お山では自然の花をほとんど見かけません。仕事で立ち寄った「なでしこ」で絢爛と咲き誇る花を見つけました。1900年代初頭の伊万里柿右衛門写しのマイセンです。江戸時代の終わり頃から盛んにヨーロッパに輸出された伊万里焼の絵柄に当時の西洋人は驚かされました。東洋の小さな島国にこんな美しい絵柄が有ったのかと。マイセンをはじめヨーロッパの名だたる陶磁器メーカーはこぞってその絵柄を写しました。日本の影響を受けたこのような陶磁器を目にするとき、明治の初めにオーストリアに渡った一人の女性を思い出します。

光子(本名 青山ミツ)

明治時代、骨董屋の娘だった18歳の光子は、日本に赴任してきたオーストリア帝国の外交官ハインリッヒ・クーデンホーフ伯爵に見初められて結婚します。時代の波に翻弄されながらも異国の地で伯爵家を支えヨーロッパ社交界にも名を馳せたミツコ。その後、パリの調香家ジャック ゲランによって彼女にちなんだ香水ができました。ミツコもきっとこのようなティーカップでお茶を飲んでは、日本を思い出していたのではないでしょうか。楽しいバースデーパーティーなどで、日本の誇りを胸に秘め大切な人にHerzlichen Glueckwuensch zum Geburtstag!