標高749メートルの妙法山はゆたかな自然と高山植物の宝庫です。
山主自ら撮った写真を添えて、四季おりおりの表情をご紹介します。
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マルバヒイラギ(丸葉柊)
トゲのない柊で、真っ白にモクセイの
ような花を咲かせます。ほのかに甘い
香りが、晩秋の静かな境内に漂って
います。
ツワブキ(石蕗、艶蕗)
菊のような花を咲かせるフキの仲間です。妙法にはたくさん自生していたのですが、今では鹿の食害で境内にしか生息していません。灰汁取りは必要ですが、このフキで作った佃煮も美味です。
茶の花
境内に自生しているお茶の花です。
現在の園芸種、ヤブキタ茶などとは違うお茶で、昔はこのお茶を摘んで仏さまに供えていたのでしょう。
センブリ
漢方で胃の薬として重宝されています。
これを煎じたお茶はとても苦い
のですが、どこかさっぱりした
後味があります。
大文字草(ダイモンジソウ)
熊野地方の谷川で時々見かける花です。京都・五山送り火のひとつ、
大文字に花の形が似ているところから
名前がついたようです。
朝熊竜胆(アサマリンドウ)
今年も応照上人の火生三昧跡にアサマリンドウが咲きました。
猛暑と多雨の影響で、例年にくらべて花が少なく小さめです。
今年の十五夜はお彼岸と重なってしまいました。
例年通り岡本豊彦の屏風に古い常滑の壺でススキを活けました。
ツマグロヒョウモン--秋の庭に群れた蝶たち
庭のシオンにツマグロヒョウモンたちが集まってさかんに蜜を吸っています。
なぜかオスばかりなのはどうしてなのでしょう?
暑かった夏が漸く過ぎて静けさを取り戻した妙法で、蝶たちの賑やかですが音のない風景です。
茗荷(ミョウガ)
今年も茗荷がたくさん出来ました。竹藪に自生した茗荷は竹の落ち葉で出来た腐葉土の中に
あるので日に当たらずきれいなピンク色をしています。生のまま酢味噌で食べるのが絶品です。
昔の武士はミョウガが冥賀(神仏の加護)に通じるとして、
刀の鍔や刀装具にミョウガのデザインを用いたりもしました。
ヤマジノホトトギスの蜜を吸うクマバチ
竹藪に群生するミョウガの中から
一輪のヤマジノホトトギスが咲いています。
台風襲来を知ってか知らずかクマバチが一所懸命
蜜を吸っています。
ヤマカガシ
台風21号の接近を明日に控えた境内です。
わずか20cmほどのヤマカガシの赤ちゃんがカエルを捕まえ
ました。身の丈にあった?小さなカエルを捕まえたのですが、
足がどうしても呑み込めずに悪戦苦闘しています。
深い霧の中、たくさんの花が咲いてくれました。
アジサイたち、特に樹齢400年の杉の木に宿ったツルアジサイは見事です。
ツルアジサイ
ヤマアジサイ
スミダノハナビ(墨田の花火)
ダンスパーティー
ササユリ(笹百合)
テッセン(鉄線)
セッコク(石斛)
妙法の古木には時々ランの仲間セッコクが宿っています。
羽二重のような白花の茎がほんのりとピンクがかっていて、とても上品な山のランです。
ホンシャクナゲ
(本石楠花)
お山に自生している本石楠花でも個体によって花期が変わります。4月中旬から咲き始めた中でもこれが最後の花です。
セイヨウシャクナゲ
(西洋石楠花)
外国産ですがまるでラテン系に思えるような派手な花を5月いっぱい咲かせてくれます。
ヤクシマシャクナゲ
(屋久島石楠花)
そろそろ花も終わりで新芽が伸びだしています。
ハナショウブ(花菖蒲)
シャクナゲ(石楠花)
茶摘み
毎年恒例の仏様へ供える1年分のお茶摘みです。今年は天候に恵まれてとても良いお茶が出来ました。
オダマキ(苧環)
境内には
オダマキがこの時期たくさん
花をつけます。
キヌタボタン(砧牡丹)
牡丹の原種です。昨年テッポウムシ(カミキリの幼虫)にやられて20年生で太くなっていた幹が無くなってしまいました。諦めていたら、土中から新しい芽が何本も伸びてきて、なんと花も一輪咲いてくれました。
キエビネ(黄海老根、黄蝦根)
ランの一種ですが最近はあまり一般の庭では見ることが少なくなりました。
妙法は環境があっているのかどんどん増えてきます。
イワチドリ(岩千鳥)
人気の野生ランです。何種類か育っていたのですが、珍しい種は心無い人が持っていってしまいました。
山桜(ヤマザクラ)
3月中旬から様々な桜が咲きますが、この桜はいつも4月中旬に咲きます。
樹齢200年を超え高さ15m以上の桜の開花に気付く人は少なく、ヒラヒラとピンクの花びらが舞ってきて初めてその存在に気づきます。
石楠花(シャクナゲ)
シャガ(著莪)
一度は鹿の食害で絶滅しそうになりましたが、数株の苗を大切に育てて
ようやく元通りになりました。
アジュガ(西洋十二単)
躑躅(ツツジ)
苧環(オダマキ)
金瘡小草(キランソウ)
天台烏薬の花
(テンダイウヤク)
秦の始皇帝の家臣である徐福がみつけた不老不死の薬が天台烏薬だと言われています。煎じて飲むと色々な病気に効果があると言われています。
天台烏薬の花
(テンダイウヤク)
樒(シキミ)の花
一般にはお墓や仏壇へのお供えとして使われるシキミです。妙法山は自生したシキミがたくさんあり、樒山(シキミヤマ)という別名があります。
馬酔木(アセビ)
寒かったせいか、ひと月遅れでアセビの白い花が満開です。
沈丁花(ジンチョウゲ)
例年なら2月の中頃には咲き始める沈丁花も、やっと春の日差しの中かぐわしい香りを漂わせています。
春の訪れ
シジミ蝶が羽化しました。
ヤマトシジミなのかミヤマシジミなのかよくわかりませんが、ようやくお山にチョウの飛び交う季節がやってきました。
梅花黄蓮(バイカオウレン)
いつもなら2月中旬頃には咲いてくれるのですが、寒さのせいかようやく花を咲かせました。
蝋梅(ロウバイ)
お正月飾りも片付けた冬枯れのお山で毎年咲いてくれる貴重な花です。
赤い実 三種