標高749メートルの妙法山はゆたかな自然と高山植物の宝庫です。
山主自ら撮った写真を添えて、四季おりおりの表情をご紹介します。
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水平線
曇天の朝、いつもは雲に覆われることの多い水平線がくっきりと現れました。まだ水面も眠っているような熊野の朝です。
三色ムクゲ
1本の木なのに三色の花を咲かせます。実は苗のころに他のムクゲを接ぎ木したのが元気に育ちました。夏の間毎日新しい花を開いて境内に色を添えてくれます。
クチナシ
7月にはいってようやくクチナシの花が咲いてきました。とても良い香りがあり学名はjasminoides(ジャスミンのような)というそうです。黄色い実は昔から食物の着色料として使われます。たくあんの黄色もこのクチナシの実で色付けしています。
ヒメヒオウギスイセン
(姫檜扇水仙)
アフリカ産ですが全世界で野生化していて、日本でも栽培が禁止されている地方があるようです。海抜600mを超える境内にまでどうやってきたのかわかりませんが、あまり増えすぎないように管理しながら、きれいな花を咲かせてくれます。
チクセツニンジン(竹節人参)
日本原産の山野草です。妙法山でも唯一境内の竹やぶに自生しています。鳥がどこかから種を運んできたのでしょうか?漢方薬で育毛剤に使われることもあるようです。
半夏生(ハンゲショウ)
葉が半分真っ白になって半分化粧をしているようなので、ずっと半化粧という字だと思っていました。7月の初めころの節目で半夏生という時期に咲く花です。昔から農家にとっては大切な節目で、このころまでに田植えや畑の仕事を終えると言われています。化粧もせずに農作業に汗を流してきた女性たちが、ようやく終わった重労働にほっと一息ついて、この花を眺めたのかもしれません。
エゾハルゼミ
夏になる前に鳴いているセミがいて小さい頃ハルゼミだと教えられていましたが、今年はじめて実物を見ました。正式にはエゾハルゼミと言うそうで、北海道ではメジャーなセミですが全国的に分布しているようです。
アジサイ
どこにでもある花ですが種類も多く、一時は鹿の食害に悩まされていたものを復活させました。いわゆる西洋アジサイ(ハイドランジャー)やガクアジサイ、お山に自生するヤマアジサイまで様々なアジサイが梅雨の時期を明るくしてくれます。
ササユリ
以前は境内にたくさん自生していたのですが、近年は鹿による食害でほとんど無くなっていました。6年ほど前から境内の周囲500mほどを電気の柵で多い、夜には鹿やイノシシが入って来られないようにしたおかげで徐々に増えてきたササユリが清楚な香りを漂わせています。特に熊野の山に咲くササユリをニオイユリと言って香りが強くたくさんの花がつくことで有名だそうです。
菩提樹
菩提樹が黄色い花を咲かせています。お釈迦様が悟りを開いた所の菩提樹はインド菩提樹と言い別の種類です。このインド菩提樹が中国では育たなかったので、この菩提樹を代わりにお寺に植えました。花が終わると、プロペラのような葉がついた実が風に乗って落ちてきます。この実でお数珠を作ったりもします。
マムシ
6月15日青葉まつりの朝、大師堂を確認に行っての帰り道です。参道にマムシがいました。お大師様の誕生日に殺生はしたくないですが、お参りの方になにかあっては大変なので捕獲しなければいけません。おまつりが終わった夕方、遠く離れた山に放してやりました。